ダブルカラーの白髪染め

白髪染めを色持ちさせる手段として、ダブルカラーという染め方があります。
このダブルカラーで白髪を染めると、白髪染めのみでカラーリングした時と比べ色落ちのペースが緩やかになる傾向があるのです。

メリットも複数あるダブルカラーでの白髪染めですが、やり方によっては「こんなはずではなかった」という仕上がりになってしまう事もあります。
理想の仕上がりにするために、実践してほしい事や注意してほしい点についても解説します。

ダブルカラーを試したいという人はぜひ参考にしてください。

白髪染めにおけるダブルカラーとは?

ダブルカラーは本来、理想のヘアカラーを出すためにカラーリングを二重に行うというテクニックで、美容院ではよく行われている染め方です。
ブリーチで脱色した後にヘアカラー剤を付けるというやり方もあれば、ヘアカラー剤でのカラーリングを2度行うというパターンもあります。

そして、白髪染めにおけるダブルカラーは、白髪染めとヘアカラー剤を併用するというやり方で行われる事が多いのです。
白髪染めにおいてもダブルカラーという方法を試せば、白髪染めだけでは出せないカラーを出せる可能性があります。

そのため、白髪染めだけで染めた色では満足感が得られないという人に、ダブルカラーはおすすめです。

ダブルカラーでの白髪染めのメリット

ダブルカラーでの白髪染めのメリット

おしゃれ染めだけでなく、白髪染めにおいてもダブルカラーはおすすめ出来ます。
色持ちが良いなどのメリットがあるためです。

白髪染めにも髪の内部にまで色素を浸透機能があるので、使用方法さえ守ればきちんと発色しある程度色持ちする可能性があります。
しかし、ダブルカラーでカラーリングすると、より理想的な仕上がりになり、色も長くキープされるという効果が期待出来るのです。

ここではダブルカラーでの白髪染めのメリットについて具体的に解説します。

白髪が染まりやすい

ダブルカラーで白髪染めをすると、より色素が白髪に浸透しやすい傾向にあるのです。
白髪染めも髪の内部にまで色素が入るように作られているので、白髪染めだけでのカラーリングでも白髪に色がきちんと浸透する可能性はあります。

しかし、その後ヘアカラー剤を使うと色が重ねて入る事になるので、より白髪が染まりやすくなるという効果が期待出来るのです。
そのため、もし白髪染めだけでは色が入りきっていないように感じられる場合は、白髪染めの後にヘアカラー剤を塗ってみましょう。

発色が良い

ダブルカラーをする事で、白髪がある場合も明るいヘアカラーを楽しめる可能性があります。
例えば、白髪を染めて、なおかつ明るいヘアカラーにしたいという場合、白髪染めを使うだけではそれが実現出来ない事があるのです。

そこで、白髪染めで白髪を暗い色に染めそれからヘアカラー剤を使えば、白髪をカバーしながら明るいヘアカラーに出来るという効果が期待出来ます。
ヘアカラー剤は、暗い髪に使用した方が発色しやすい傾向があります。

そのため、白髪染めを使わずヘアカラーを使った場合よりも、白髪が浮かない可能性が高いのです。
なお、かなり明るい色に染めたい場合は、黒髪をブリーチする必要があります。

色落ちしにくい

ダブルカラーでの白髪染めの大きな特徴は、色落ちしにくいという点です。
白髪染めの色落ちは髪から色素が抜けてしまう事が原因で発生する傾向にあります。

ダブルカラーには、色素が抜けにくい状態を作り出せる可能性があるのです。
白髪染めをした後、さらにヘアカラー剤でカラーリングすると、髪に色素を重ねて入れる事になります。

そのため、髪の芯にまで色が入る可能性が高く、カラーリングしてから日にちが経っても色がキープされるという効果が期待出来るのです。

ダブルカラーでの白髪染めのデメリット

ダブルカラーでの白髪染めのデメリット

カラーリングを2度行うダブルカラーには、髪を傷める恐れがあるというデメリットがあります。
これはおしゃれ染め目的のダブルカラーだけでなく、白髪染め目的のダブルカラーにおいても言える事です。

白髪染めを使っただけでも髪や頭皮に負担が掛かる可能性が高いのですが、その後ヘアカラー剤を使うとさらに髪も頭皮も傷む恐れがあります。
そのため、ダメージを少しでも軽減したいという人には、白髪染めの代わりに白髪染め用ヘアカラートリートメントを使うのがおすすめです。

ダブルカラーで白髪染めを上手く染める方法

ダブルカラーで白髪染めを上手く染める方法

本来ダブルカラーはホームカラーでは成功しづらく、美容院でやってもらう方が望ましいのです。
美容院に行かず自分でダブルカラーにトライする場合、自己流で染めるのはあまりおすすめ出来ません。

ここでは、「どうしても自分でダブルカラーをやりたい」という人のために、白髪をうまく染める方法をご紹介します。
カラーリングのテクニックだけでなく、髪や頭皮のダメージをケアする方法についても触れます。

ダブルカラーでの白髪染めを実践する前に、ぜひ参考にしてください。

ヘアカラー剤を塗るのは白髪染めが浸透してから

白髪染めを使ってよくすすいだ後、髪が濡れている状態でヘアカラー剤を付けるのはやめてください。
髪が湿っている間は、白髪染めの色素がまだ十分に浸透していない可能性があるためです。

濡れたままの髪にヘアカラー剤を付けてしまうと、ヘアカラー剤と白髪染めの成分が混ざってしまい、思い通りに発色しない恐れがあります。
白髪染めとヘアカラー剤を同じ日に使用するのであれば、面倒でも白髪染めの後髪をしっかり乾燥させ、色素が浸透してからヘアカラー剤でカラーリングしてください。

髪を乾かす時間やカラーリングの時間を考慮すると、ダブルカラーをするには少なくとも2時間はカラーリングの時間として確保する事が必要です。

白髪染めとヘアカラー剤の補色に注意を向ける

ダブルカラーをやる際、白髪染めの色とヘアカラー剤の色が「補色」の関係にないか注意するのをおすすめします。
補色とはお互いを打ち消し合う色の事で、具体的には黄色と紫、オレンジと青などの組み合わせが補色の関係にあるのです。

あらゆる色の補色について知りたい場合は、美術関連やカラーコーディネート関連の書籍に色相環が載っている事があるので見てみましょう。
色相環を参考にすれば、どの色とどの色が補色の関係にあるのかを知る事が出来るのです。

白髪染めの色にも細かいトーンの違いがあり、あまり神経質になる必要はないものの、補色に少し注意を向ける必要があります。
後で使うヘアカラー剤の色が白髪染めの色の補色であった場合、思い通りに発色しない可能性があるためです。

アフターケアをする

カラーリングを重ねるダブルカラーは、髪や頭皮にダメージを与える可能性が高いのです。
そのため、ダブルカラーでの白髪染めをした後はアフターケアをしましょう。

例えば、シャンプーやトリートメントは低刺激のものがおすすめです。
その中でも、髪に潤いを与えるPPT(ポリペプチド)や、指通りをなめらかにするCMC(細胞膜複合体)が加えられたものを使えばダメージケアが出来る可能性があります。

こうしたシャンプーはスーパーやドラッグストアで購入するのは難しいので、インターネット通販やデパートで購入しましょう。
また、ダブルカラーの後は頭皮が乾燥しやすいので頭皮のケアも欠かせません。

頭皮専用の化粧水で保湿しましょう。

根元は暗くし毛先は明るくする

ダブルカラーのやり方には、髪の根元や生え際など白髪の目立つ部分は白髪染めで暗い色にし、毛先だけヘアカラー剤で明るくするという方法があります。
より髪を明るい色に見せたい場合は、ハイライトを入れる事もおすすめです。

ダブルカラーを自宅でやっていたとしても、ハイライトだけはホームカラーでは困難なので美容院でやってもらいましょう。
ハイライトを何度か重ねると、ロングスパンでのカラーリングにはなりますが、白髪を目立たせず、かつ明るいヘアカラーを楽しめるという効果が期待出来ます。

また、全体的にハイトーンにしたい場合は、思い切ってブリーチを使うという方法もあるのです。
髪全体が金髪や銀髪であれば、白髪が混ざっていても気付かれない可能性があります。

一方で、落ち着いたトーンにしたい場合は、白髪染めで根元を中心に色味を抑え、その後アッシュ系のヘアカラー剤を使いましょう。
それにより、赤みのない落ち着いた印象のダークカラーが出せるという効果が期待出来ます。

ダブルカラーせずに白髪染めするのは難しい

ダブルカラーせずに白髪染めするのは難しい

白髪染めだけで白髪を染めるよりは、白髪染めとヘアカラー剤を組み合わせるダブルカラーで染めた方が、白髪によりしっかり色が入る可能性が高いのです。
ダブルカラーには、おしゃれ染め用のヘアカラー剤を2回使うというやり方もあります。

しかし、白髪を染める場合こうしたやり方はおすすめ出来ません。
白髪はヘアカラー剤では染まりにくい傾向にあり、ヘアカラー剤を重ね塗りした所で色の浸透があまり見込めないからです。

しかし、ブリーチで黒髪を白髪に近いトーンまで脱色するのであれば、その後ヘアカラー剤を使っても色に統一感が出る可能性があります。

ダブルカラーでの白髪染めで失敗しない方法

ダブルカラーでの白髪染めで失敗しない方法

本来、ダブルカラーは経験を積んだ美容師さんにやってもらうべきであり、素人にとっては難しい染め方なのです。
しかし、事情があってどうしても美容院に行けない人でも、失敗せずダブルカラーが出来る可能性はあります。

いくつかの点に注意すれば、ホームカラーでも良い仕上がりになる見込みがあるのです。
ここでは、ダブルカラーで白髪染めをする時に失敗しないための方法をご紹介します。

白髪染め、ヘアカラー剤の塗り方や放置時間などに注意を向けましょう。

白髪染めは生え際と根元に塗る

ダブルカラーの白髪染めを付ける段階では、黒髪の部分に白髪染めが付着しないよう気を付けてください。
白髪でない部分が白髪染めでより黒く染まると、後でおしゃれ染め用のヘアカラー剤で明るくしようとした場合、うまく明るくならない事があります。

そのため、白髪が目立ちやすい生え際や、根元に白髪染めを塗る事を意識しましょう。
細かい部分に白髪染めを付けるのが難しい場合は、指や歯ブラシを使うと上手く馴染む可能性があります。

また、後ろ髪の普段見えない部分にも白髪が生えている事がありますが、その辺は白髪染めが上手く馴染まなくても白髪が目立つ可能性は低いのです。
そのため、生え際、頭頂部の根元といった、比較的白髪が目立つ部分を染めるよう心がけましょう。

白髪染めやヘアカラー剤の放置時間を守る

市販の白髪染め、ヘアカラー剤の説明書には、薬剤を髪に馴染ませた後20~30分放置するよう書かれている事が多いのです。
「色素をより浸透させたいから」と40分も50分も放置する人がいますが、これはおすすめ出来ません。

放置時間が30分を超えると、その後何分待っても色の入り具合はほとんど変わらない事が多いためです。
また、長時間放っておくと、髪や頭皮にダメージが蓄積される恐れもあります。

そういった事から、説明書に書かれている放置時間より長い時間待機するのはやめましょう。
ダブルカラーにおいてだけでなく白髪染め、ヘアカラー剤単品でのカラーリングにおいても同様です。

頭皮の様子を見ながら白髪染めをする

ダブルカラーでは、少なくとも2度カラーリングする事になるので、その分髪や頭皮はダメージを受ける可能性が高いのです。
白髪染めにもヘアカラー剤にも化学成分が加えられているため、髪にも頭皮にもある程度負担が掛かる恐れがあります。

特に、頭皮の状態には注意を払いながらカラーリングしましょう。
生え際や根元を染める場合、頭皮に白髪染めやヘアカラー剤が付く可能性が高いからです。

頭皮に湿疹やかゆみ、傷のある時は治まるまで、白髪染めやヘアカラー剤の使用は控えましょう。

白髪染めとヘアカラー剤は混ぜない

美容院でダブルカラーをお願いすると、美容師さんが白髪染めとヘアカラー剤をミックスして髪に塗布する事があります。
しかし、自分でダブルカラーをやる場合、そのやり方を真似するのはやめましょう。

市販の白髪染めとヘアカラー剤は、混ぜ合わせて使えるようには開発されていないためです。
そのため、2つを混ぜてしまうと色の入りにくくなるなどのデメリットが生じる恐れがあります。

自宅でダブルカラーをやる際は、白髪染めもヘアカラー剤も別々に使いましょう。

白髪染めとダブルカラーのまとめ

白髪染めとダブルカラーのまとめ

2重にカラーリングするダブルカラーは、色持ちや発色が良いなどのメリットがあります。
そのため、白髪染めにこのテクニックを用いるのもおすすめ出来ます。

一方、髪や頭皮にダメージを与えやすいというのも事実。
頭皮のかゆみなど異常がみられる場合は、カラーリングを控えてください。

また、ダブルカラーをした後は、髪や頭皮のケアを忘れてはなりません。
ダブルカラーで白髪を染める場合は、生え際や根元に白髪染め、毛先にヘアカラー剤を使うと、白髪をカバーしつつ明るい色を楽しめる可能性があります。

なお、白髪染めとヘアカラー剤は混ぜて使ってはいけません。
白髪染めを使ったら、いったん浴室を出て髪を乾かしてからヘアカラー剤を使用しましょう。