8トーンの白髪染め

「白髪があっても明るい髪色を楽しみたい!」そんな方が増えています。
中でも、おしゃれ染めと同じくらい、8トーン以上で白髪も染めたいという声が多いようです。

一般的なイメージは「白髪染め=髪色が暗くなる」でしょう。
実際、美容院でも、明るいトーンの白髪染めは難しいと言われる方も少なくありません。

こちらでは、8トーン以上の明るい白髪染めについてお話ししたいと思います。
明るい白髪染めで白髪が染まりにくい理由や、デメリットを詳しく解説。

白髪のタイプ別に8トーンに染める方法もご紹介します。

8トーン以上の白髪染めは染まりくい

明るいトーンの白髪染めでは、白髪が染まりにくいと言われています。
トーン表は、美容院でヘアカラーの色を選ぶ時によく使われる見本です。

その内、縦方向が明るさ(トーン)を表していて、数字が大きいほど明るい色になります。
日本人の地毛の平均が4〜5トーン。

それよりやや明るめの6〜7トーンは、自然な仕上がりで明るい髪色がNGな職場でも問題がない範囲のカラーです。
8トーン以上になるとグッと明度が高くなり、髪質によっては光が当たるとかなり明るさが強調されます。

髪色に厳しい職場では、注意を受ける可能性があるでしょう。
では、明るい色の白髪染めを使うと、白髪がしっかり染まらない理由についてお話します。

白髪染めとトーン

一般的に、各メーカーは6〜7トーンの染め上がりを想定して白髪染めを作っています。
つまり、白髪をしっかり染めたいなら、明るさはだいたい7トーンまでという事。

実際、8トーン以上白髪染めでは、白髪には何となく色が入る程度出来ちんと染まらないのです。
もちろん、白髪の量や髪質による影響もあるでしょう。

同じ白髪染め剤を使っても、白髪が少ない方は思った以上に暗い色になりがちです。
一方、白髪の量が多い方やダメージ毛の方は、明るいトーンに仕上がりやすいなど個人差があります。

染まりにくい理由

白髪染めは、白髪をしっかり染めるのが目的のカラー剤です。
そのため、染料は濃いブラウンの染料がベース、ブリーチ力は弱めの配合になっています。

染毛力が強い分、色持ちが良いのが特徴です。
ところが、明るい色に白髪を染めたい場合、矛盾が起こります。

「白髪に明るい色を入れる事」と「黒髪を明るくする事」を同時に行う必要が出てくるのです。
ヘアカラーの性質上、色が明るくなればなるほどブリーチ力が強く、色素量が少なくなります。

よって、明るい色の白髪染めでは、白髪には薄っすら色が入る程度しか染まらないという事になるのです。
白髪染めで8トーン以上の明るい色にするのは難しいと言われるのはこうした理由があります。

タイプ別・白髪染めで8トーンに染める方法

タイプ別・白髪染めで8トーンに染める方法

明るいトーンだと、白髪は染まりにくいという事がお分り頂けたと思います。
しかし、厄介な点がもう一つあります。

それは、白髪染めの仕上がりのトーンは、白髪の量によってずいぶん違ってくる事。
多くの白髪染めは、「白髪の量が全体の30%」を基準に薬剤が配合されています。

そのため、髪の半分以上が白髪の方が8トーンで染めると、仕上がりは9〜10トーンになるでしょう。
反対に、白髪が少ない方の場合は、同じ白髪染めを使っても暗いトーンに染まります。

また、仕上がりは髪質や髪の長さによっても左右されます。
つまり、白髪染めは狙ったトーンに染めるのが難しいカラー剤と言えるのです。

白髪染めで8トーンに染める方法を、白髪のタイプ別にご紹介します。

白髪が多い

白髪が多い場合、2つの方法があります。

1.明るめの白髪染めで染める

白髪が多い方は、5〜8トーンで染めても暗くなり過ぎません。
この時、アッシュ系やベージュ系のカラーを選ぶと、白髪染め特有の赤みを抑える事が出来るでしょう。

伸びた白髪のリタッチと毛先の退色を利用すれば、髪色をやや明るくする事も出来ます。

2.白髪染め+おしゃれ染め

全体を明るくして白髪をぼかす方法です。
根元は7〜6トーンの白髪染め、毛先はおしゃれ染めを使います。

これにより、ほど良いグラデーションになり、白髪を上手くぼかす事が出来ます。
全体にウィービング(スジ状に明るくする)を入れるのも良いでしょう。

馴染みが良くなり、立体感も出ます。

白髪が少ない

先ほどもお話しした通り、白髪が少ない場合は暗めのトーンになりがちです。
そのため、8〜10トーンの明るめのヘアカラー+白髪染めを使う方法がおすすめ。

全体が明るくなる事で、白髪が目立ちにくくなります。
白髪が固まっている部分や、フェイスラインには白髪染めをしましょう。

そうする事で、ローライト効果で自然な仕上がりになります。

8トーンの明るい白髪染めのデメリット

8トーンの明るい白髪染めのデメリット

実の所、明るい白髪染めにはメリットはあまりありません。
上記でご紹介した8トーンに染める方法も、美容院での施術でないと難しいでしょう。

となると、綺麗な状態を保つためには、こまめに美容院へ通う必要も出てきます。
「明るい色の白髪染めがおしゃれ!」という気持ちはよく分かります。

しかし、白髪染めはセルフカラー派の方は、なるべく地毛に近いトーンとカラーを選びましょう。
8トーン以上の白髪染めのデメリットをまとめます。

ムラになる

白髪と黒髪では、白髪の方が明るく染まりやすくなります。
そのため、一種類の白髪染めを使って全体を染めようとすれば、染めムラは避けられません。

特に、8トーンなど明るい色の白髪染めを使った場合は、それが目立ちます。
白髪の割合が70%の方なら、どうにかなるかもしれません。

しかし、それ以外の場合は、後で後悔する結果になってしまう可能性があります。
ひどいムラ染めは、プロの美容師でもなおすのが大変です。

また、髪の状態によっては、最悪カットするしかなくなる事もあるでしょう。

色落ち

日本人地毛の平均的な明るさ(5〜6トーン)に染めた場合、1ヶ月以上色持ちします。
しかし、それより明るい8トーン以上の白髪染めの場合は、色落ちが激しくなります。

個人差はありますが、2週間持てば良い方と言えるでしょう。

ヘアダメージ

ヘアカラーは明るい色ほど髪や頭皮に負担が掛かります。
8トーン以上の明るい白髪染めの場合、大きなヘアダメージを受ける事になるでしょう。

これは美容院で染めても、セルフカラーでも同じ事です。

白髪染めと8トーンのまとめ

白髪染めと8トーンのまとめ

8トーン以上の明るい白髪染めでキレイに仕上げるのは、プロでも難しい事です。
また、明るい白髪染めはメリットよりもデメリットの方が大きくなります。

なお、8トーンにするために、明るいおしゃれ染めやブリーチを使うのも意味がありません。
おしゃれ染めでは白髪はほとんど染まりませんし、ブリーチはひどく髪を傷めるだけ。

そこでおすすめしたいのが、髪や頭皮に優しいトリートメントタイプの白髪染めです。
地毛に近いトーン・カラーを選べば、白髪をナチュラルにカバーする事が出来ます。

また、利尻ヘアカラートリートメントやルプルプには、明るめのカラーがあります。
髪質や白髪の量にもよりますが、ノーダメージで8トーン以上の仕上がりが期待出来る場合もあるでしょう。