白髪とがん

白髪が生える原因は、加齢だけではありません。
ストレスや病気が原因で白髪が生えやすくなる事もあるのです。

白髪を招く病気としては、がんやその治療の副作用、さらには甲状腺の病気など意外なものまで挙げられます。
白髪が生えている人の中には、いわゆる若白髪の人も見られます。

しかし、若白髪も遺伝的要因や体質でなく、病気が原因であるケースがあるのです。
今回は、白髪の原因となり得る病気や、臓器の不調が白髪に繋がるメカニズムについて解説します。

白髪はがんなどの病気やストレスによって生えやすくなる

髪は本来メラニン色素によって色が付いた状態で生えてきます。
色が付いていない状態で髪が生えると白髪となるのです。

身体の不調などに伴い、メラニン色素を作る細胞メラノサイトの機能が弱まっていたり、またメラノサイト自体の数が減っていたりすると、髪に色が付かない事があります。
白髪の発生には、がんなどの病気やストレスが原因として挙げられます。

しかし、こうした不調で白髪が生える現象については、免疫の働きが関わっているという見方があるのです。
ここでは、白髪の発生と免疫の関係について具体的に解説します。

白髪と自然免疫の関係

人間には自然免疫が備わっていますが、これが白髪の発生と関わっている可能性があるのです。
自然免疫には、体内に侵入してきた異物を排除しようとする働きがあります。

ウイルスやがん細胞が体内に存在する時、身体のバリアを機能させるための危険信号を出します。
メラニン色素を作るメラノサイトの元となる細胞は、この危険信号を感知する働きを持つのです。

しかし、その細胞もやがて危険信号を感知しなくなります。
そうなった時、メラニン色素が髪に付かなくなり、白髪が生えてくる場合があるのです。

この過程から、白髪の発生は自然免疫の働きと関わりがあるといえます。

白髪が生えやすくなる病気とは?がん治療との関連性

白髪が生えやすくなる病気

場合によって白髪は病気のサインである可能性があります。
短期間で白髪が増えてきた場合、何らかの病気を疑いましょう。

特に、以下のような病気で白髪が生えやすくなる事があるのです。

・悪性貧血
・早老症(プロジェリア症候群、ウェルナー症候群)
・甲状腺機能低下症
・白斑
・フォークト・小柳・原田病
・がん
・成長ホルモンの病気
・円型脱毛症(症状が治まった後に白髪が発生しやすい)
・慢性的な胃腸疾患
・マラリア

がんについては、それ自体が白髪を招く可能性もあります。
しかし、放射線治療の副作用で白髪が生えるケースもあるのです。

放射線治療後に生えた髪が白かったら、治療の影響である可能性が高いと言えます。

がんなどの臓器の不調がなぜ白髪に繋がる?

がんなどの臓器の不調がなぜ白髪に繋がる

白髪がどの部分に生えているかで、異変を起こしている臓器がある程度推測出来る事があるのです。
白髪の場所と不調を起こしている臓器の場所は、このように繋がっている傾向があります。

頭頂部 消化器
頭頂部の右側 腎臓
頭頂部の左側 肝臓
前頭部 便秘、痔
後頭部 冷え症、生理不順、尿トラブル
額、こめかみ付近 眼精疲労、更年期障害、ストレス
つむじ 肺、心臓
耳周辺 虫歯、歯肉炎

白髪が頭部全体でなく、特定の場所にのみ生えるようでしたら、がんとまではいかなくても臓器が何らかの異常をきたしている事を疑ってみましょう。

臓器のトラブルが白髪に繋がるまで

がんや他の病気で臓器が弱った時に白髪が生えやすくなるのは、決して偶然ではありません。
例えば、消化器官の機能が低下すると、食べ物の消化や吸収が上手く出来なくなります。

結果的に頭皮、髪に栄養が行き渡らなくなり、白髪が生える事があるのです。
頭皮や髪の毛に栄養が届くのは、臓器よりも後。

消化器官で栄養が吸収出来ていないと、健康な髪を作るための栄養がさらに得にくくなる恐れがあります。
また、臓器が正常に機能するには、血液の流れに乗って運び込まれる酸素が欠かせません。

臓器に酸素を供給する血液に、お酒やタバコによるアルコール、ニコチンなどが含まれていると、腎臓や肝臓に負担が掛かり、それらの働きが低下する事があります。
そうなると、アルコールやニコチンの毒素が血液と共に身体中に回り、やがて髪にも毒素が渡りmその細胞が破壊されていくのです。

特に、肝臓の不調は頭皮環境の悪化に繋がるリスクもあり、具体的には頭皮がぶよぶよした感触を持ったり硬くなったりする恐れがあります。
このように臓器の不調は、白髪と深く関わっているのです。

がんなどによる白髪を避けるには臓器をいたわる

がんなどによる白髪を避けるには臓器をいたわる

がんや他の病気を原因とする白髪は、臓器をいたわった生活を送る事で改善、予防出来る可能性があるのです。
ブリーチなどの髪、頭皮への直接的な刺激を避ける事も白髪改善効果が見込めます。

しかし、臓器の不調に心当たりのある人は、生活習慣を見直してみましょう。
ここでは、白髪に繋がる臓器の不調を防ぐための対策についてご説明します。

いずれの対策法も決して難しいものではないので、今日から実践してみましょう。
臓器の負担を減らす事で、白髪が防げるだけでなく、身体そのものが健康な状態に近付く効果が期待出来ます。

消化器系の臓器の負担を減らす方法

胃や腸といった消化器系のがんなどを避けるには、日頃から飲食物の量を調節しましょう。
満腹になるまで食べると、後々に胃や腸の病気に繋がる恐れがあるためです。

腹八分目を意識しながら食事を摂ってください。
また、冷たいものをあまり食べず、ホットドリンクやしょうが、根菜類など身体を温めるものを選ぶようにすると、より消化器系の負担が緩和される可能性があります。

また、栄養面に注意を向けるのもおすすめ。
身体の健康には、あらゆる栄養素を摂る事が必要です。

中でも、銅を始めとするミネラルは白髪を改善させる効果が出来るので、積極的に摂取してください。
豆類や魚介類などに含まれるミネラルですが、食べ物から摂るのが難しい場合はサプリメントの購入もおすすめ出来ます。

その場合、身体に吸収されやすいグルコン酸銅が含まれているサプリメントを選ぶのが好ましいです。

腎臓や肝臓をいたわるには

胃腸をいたわる事で腎臓や肝臓の負担も減らせる可能性が高いのです。
他には、生活の中でこのような事を心がける事で、腎臓や肝臓の機能が回復してくる事があります。

  • トイレを我慢し過ぎない
  • 痛み止めの服用を避ける
  • 足揉み
  • 歩く機会を増やす
  • アルコールを摂り過ぎない

特に、足を揉んだり歩いたりする事は、心臓や肺の機能を回復させる可能性もあります。
そのため、がんなどの病気の予防や、それに伴う白髪予防に繋がる効果がより期待出来るのです。

眼や耳、歯

誰もが日常で酷使していると言っても過言ではない眼や耳を休ませる事も、白髪の改善や予防のためには重要です。
眼や耳の疲れが、がん及び以外の病気と直接関係ないとしても、可能であれば静かな部屋で電気を消して過ごす時間を少し作りましょう。

何も見ない、何も聞かないという状況を作る事で眼や耳を休ませられる可能性があります。
歯に関しても同様です。

日々の歯磨きを欠かさない他、硬いものを噛むのも歯の強さを保つのに必要ですが、時には休ませる事を意識してみましょう。
具体的には、間食を控え、朝、昼、晩に食事をする以外は、何も食べないという日を時々作ってみてください。

睡眠や笑いで内臓機能を回復させる

どんなに忙しい時でも、最低5~6時間は睡眠をとりましょう。
まとまった睡眠には、臓器のダメージを修復する効果が期待出来るからです。

そのため、日頃から睡眠をしっかりとっておけば、がんを始めとする病気やそれに伴う白髪を防げる可能性もあります。
睡眠に加え笑いも健康維持には不可欠です。

笑いの身体への影響は医療の世界でも注目されており、がんなどを改善させる効果が期待出来るという見方もあります。
テレビ番組でも何でも良いので、何か面白いものを見たり聞いたりして笑うといった行為が1日の内に何度か出来るのが理想的です。

笑いの影響により、内臓機能の改善と同時に白髪も生えにくくなる事が期待出来ます。

白髪とがんのまとめ

白髪とがんのまとめ

遺伝的要因やストレスなどあらゆる事が白髪の原因になりますが、病気が原因で白髪が生えるケースもあるのです。
短期間で白髪が急に増えたと感じたら、病気の可能性を考えてみましょう。

白髪発生に繋がる病気としては、がんやそれを治すための放射線治療、甲状腺の疾患、マラリアなどが挙げられます。
臓器の不調は、やがて頭皮や髪の栄養不足に繋がり、それが白髪発生を招く恐れがあるのです。

そのため、臓器をいたわる生活を送る事で白髪を改善、予防出来る可能性があります。